結婚前、彼の家に初めてお邪魔した日のこと。
玄関を開けた瞬間、私は一度そっとドアを閉めたくなりました。
――物!物!物!!
チラシや雑誌、大量の段ボールの空、数え切れない便利グッズ(らしき者)、謎の置き物たち。
ちょっと物が多めのお宅なんだな・・・と思いながらお邪魔した私。
そこへ現れたのが、のちの私の義母。
クセつよ義母はじめまして!
散らかっててびっくりしたでしょ!片付けが間に合わなくて・・・
マキシマリスト、自覚はある様子。
そして初対面で、いきなり名前の画数を聞かれ・・・



「あなたの名前、とてもいい画数ね!うちの子供達と同じだわ!」
名乗るより先に、姓名判断される私。
自分の母や、友達のお母さんとはタイプが違うな・・・少し変わってるお義母さんなのかな?
この時感じた違和感が、のちに大変な状況になるとは、この時は気付いていなかった。
その後結婚準備が始まり、結婚式の日取りを決めるときには、



「一粒万倍日と天赦日が重なる日があるのよ。入籍する時間帯はいつ頃がいいか、占いの先生にも確認してみるわね」
縁起の良い日がいいかなとは感じていたけど、まさか、時間帯まで指定されるなんて・・・!
気づけば、
私たちの結婚は 義母の占い監修つきプロジェクト になっていた。
―そして、さらに衝撃の事実が判明。
夫の任意保険。なんと すべて義母管理。
しかも毎月の支払いは——



「あ、今月分の保険料、〇万円だから給料出たら私に渡してね」
完全に“義母経由システム”。生命保険に加えて医療保険2つ、さらにがん保険も。
保険内容を見なくてもわかる、保証内容もかなり重複しているんじゃ・・・
保険料もかなり多く、家計が苦しくなりそうだったため、いざ見直そうとするも



「これは担当者さんがいい人だから」「こっちは保険料の割に保証が手厚い」「こっちは入院した時のため」
出てくる理由は無限。
結局、自分たちの管理にできるまで2年かかりました。
(役所の手続きより、義母の説得が一番大変だった…)
私は静かに理解しました。
この人は、物も、占いも、保険もとにかく「多いほうが安心する」タイプ。
どうやって説得しよう・・・途方に暮れていた時、
ふと視界に入ったのは、隣で静かにお茶を飲んでいる義父。
いつもニコニコしていて、義母が何を言っても、
「あぁ、そうだな」
と、やさしく相づち。
常にイエスマン、完全なる言いなりタイプか…かと思いきや。
ある日、義母が席を外した時、義父と私の二人きりになった時。
小声で、そしてすごくやさしく。
「もう結婚したんだから、二人の好きにしていいぞ。」
そのひと言に、胸がじんわり。
(義母の前では言えないけど、ちゃんと分かってくれてるんだ…)
表では義母の“同意ボタン”
でも、陰ではこっそり私の味方。
その後も義父はとても心強い存在でした。
こうして私は、
マキシマリストで占い大好き、そして“少しだけ不器用に優しい家族”の中へと、
静かに足を踏み入れていきました。
本番は、ここからです——。



コメント